2020-01-01から1年間の記事一覧

2021年度東北大学法科大学院前期入試 ステートメント

東北大学法科大学院を受験するにあたり、ステートメント(志望理由書)を提出する必要がありました。大半の法科大学院は、ステートメントの提出が必須になっていることと思います。もっとも、ステートメントの内容について言及しているブログ・SNSページは、…

2021年度東北大学法科大学院前期入試 再現答案 刑事訴訟法

設問1 本件公訴事実は、「Yと共謀の上」と記載されている。共謀共同正犯の訴因では、共謀の日時・場所を比較的詳細に表示することが可能である場合でも、起訴状では単に「共謀の上」とだけ表示される。このような訴因の記載は、「できる限り」(刑事訴訟法[…

2021年度東北大学法科大学院前期入試 再現答案 民事訴訟法

小問1 民事訴訟法114条1項にいう「主文を包含するものに限り」とは、訴訟物たる権利・法律関係の存否についての判断を意味する。民事訴訟の目的は、訴訟物たる権利の存否及び範囲を確定することに主たる目的があるからである。また、既判力の趣旨は紛争の終…

2021年度東北大学法科大学院前期入試 再現答案 商法

第1問 詐害的事業譲渡の場合、残存債権者の利益を無視して、優良資産や換価可能な資産を譲受会社に譲渡し、換価が困難な資産を譲渡会社に残すことが考えられる。この場合、会社債権者の債権の唯一の担保は会社財産であるため、譲渡会社に対してのみ履行の請…

2021年度東北大学法科大学院前期入試 再現答案 憲法

小問1 昭和50年判決は、職業は、人が自己の生計を維持するためにする継続的活動であるとともに、分業社会においては、これを通じて社会の存続と発展に寄与する社会的機能分担たる性質を有し、各人が自己の持つ個性を全うすべき場として、個人の人格とも不可…

2021年度東北大学法科大学院前期入試 再現答案 刑法

第1. Yの罪責 1. YがVを殺害することになってもやむを得ないと思いながら、ナイフを用いてVの胸部付近を数回強く突き刺し、Vを死亡させた行為について殺人罪(刑法[以下法令名省略]199条)が成立する可能性がある。 2. (1) まず、ナイフで胸部付近を数回突…

2021年度東北大学法科大学院前期入試 再現答案 民法

第1問 1. BのCに対する請求は、所有権に基づく返還請求としての甲機械引渡し請求である。①原告所有②被告占有が上記請求の要件であるところ、Bは甲機械の所有者であるし、Cは占有改訂の方法により間接的にCが甲機械を占有しているので上記請求が基礎付けられ…

2021年度東北大学法科大学院入試 雑感

2020年8月30日に、東北大学法科大学院前期入試(法学既修者)を受けてきました。今回はそれについての雑感を書きたいと思います。法科大学院入試について言及しているブログ・ツイートは少なく、私自身法科大学院入試に不安を感じていましたので、私と同じよ…