2021年度東北大学法科大学院前期入試 再現答案 憲法

小問1

 昭和50年判決は、職業は、人が自己の生計を維持するためにする継続的活動であるとともに、分業社会においては、これを通じて社会の存続と発展に寄与する社会的機能分担たる性質を有し、各人が自己の持つ個性を全うすべき場として、個人の人格とも不可分の関連を有すると解した。

小問2

 昭和50年判決は、職業選択の自由として保障される自由を、狭義における職業選択の自由と、営業の自由にわけ、それぞれ22条1項で保障されるとした。前者の自由とは、職業の開始、継続、廃止において自由ということである。後者の自由とは、選択した職業の遂行自体、すなわち職業活動の内容、態様においても自由であるという意味である。後者の自由が保障される理由として、職業の遂行ができないと実質的に職業選択の自由を保障したことにはならないということが挙げられる。

小問3

 昭和50年判決は、職業の許可制を、単なる職業活想の内容及び態様に対する規制を超えて、狭義における職業選択の自由そのものに制約を課するもので、職業の自由に対する協力な制限であるとした。許可性が職業の自由に対する強力な制限であるということは、審査基準にも現れており、許可性が職業の自由との関係で合憲であると言えるためには、原則として公共の利益のために必要かつ合理的な措置である事を要するとした。
 加えて、許可性の目的が、社会政策ないしは経済政策上の積極的な目的のための措置ではなく、自由な職業活動が社会公共に対してもたらす弊害を防止するための消極的、警察的措置である場合には、許可性に比べて職業の自由に対するより緩やかな制限である職業活動の内容及び態様によっては右目的を十分に達成することができないと認められる事を要するとした。以上のように、昭和50年判決は、職業の許可性は、職業の自由に対する強力な制限であるとし、合憲性判定基準を厳しく設定した。

 小問4・5は何を書いたのか詳細に思い出せません。積極目的規制と消極目的規制についてあれこれ書いたような覚えがあります。